不安な気持ちが大きくなると、人はつい「未来」を知りたくなります。
この先どうなるのか。
この選択は間違っていないのか。
大丈夫だと言ってほしい。
そんな思いから、
タロットカードに「どうなりますか?」と問いかけたくなることもあるでしょう。
それは決して悪いことではありません。
不安なときほど、安心できる材料が欲しくなるのはとても自然なことです。
けれど、タロットと向き合う時間を重ねていくうちに、私は少しずつ、あることに気づくようになりました。
タロットカードは、未来を言い当てるための道具ではないのかもしれない、ということです。
タロットカードが映し出すのは「未来」ではなく「今の自分」

タロットを引くと、カードはさまざまなメッセージを見せてくれます。
前向きな言葉だったり、少し厳しく感じる言葉だったり、今の自分の心をそのまま映したような絵柄だったり。
でも、カードは決して「こうしなさい」「こうなります」と命令してくるわけではありません。
そこにあるのは、今の自分の状態や、心の奥にある感情、見ないふりをしていた本音のようなものです。
当たったか、当たらなかったか。
正位置か、逆位置か。
もちろん、それらも大切ですが、本当に大事なのはカードを見たとき、自分が何を感じたかなのではないでしょうか。
不安なとき、人は人生のハンドルを手放しやすい

不安なとき、人は人生のハンドルを手放しやすいものです。
自分で決めるのが怖くなったり、間違えたくなくて、誰かに答えを委ねたくなったりします。
占いに強い答えを求めてしまうのも、その延長にあるのかもしれません。
実は、私自身もそうでした。
不安でいっぱいだった頃の私は、タロットを引くたびに
「どうなりますか?」
「この選択で合っていますか?」
そんな問いばかりを投げかけていました。
カードが教えてくれる言葉に、一喜一憂して、安心したり、落ち込んだり。
良いカードが出ればほっとして、少しでも不安を感じるカードが出ると、また別の答えを求めてカードを引く。
そんなことを繰り返していた時期もあります。
でも、あるとき気づいたのです。
カードの答えよりも、それを見たときの自分の反応のほうが、ずっと気になっていることに。
「このカード、なぜか嫌だな」
「この言葉、少し苦しい」
そう感じた瞬間、私はカードを通して“未来”ではなく“今の自分の本音”を見ていたのだと思います。
でも、タロットは代わりに運転してくれる存在ではありません。
むしろ、いつの間にか手放してしまっていたハンドルを、「ここにあるよ」とそっと返してくれるものだと、私は感じています。
タロットは人生のナビゲーション

タロットは、ナビゲーションのような存在です。
進む方向の選択肢を示してくれたり、今いる場所を教えてくれたりはしますが、アクセルを踏むのも、ハンドルを切るのも、最終的に決めるのは自分自身です。
カードを引いたときに感じる
「なんだか引っかかる」
「しっくりこない」
「この言葉、気になる」
そうした小さな感覚こそが、今の自分と向き合うための大切なヒントなのだと思います。
未来は「当てるもの」ではなく「選び続けるもの」

未来は、最初から一つに決まっているものではありません。
今の選択や、今日の気持ち、小さな行動の積み重ねで、いくらでも形を変えていきます。
だからこそ、タロットは未来を当てるためのものではなく、
「今の自分は、何を感じているのか」
「本当は、どこへ向かいたいのか」
を確認するための時間なのかもしれません。
占いに依存するためではなく、
自分の感覚を取り戻すためのツール。
タロットは、そんな静かな役割を持っていると感じています。
ハンドルは、あなたの手の中にある

不安なとき、人はハンドルを手放しやすい。
だからこそ、タロットは代わりに運転してくれるものではなく、「今、どこに向かいたい?」と静かに問いかけてくれる存在なのだと思ういます。
問いに対して小さな声で「ここに向かいたい」と自分の中から答えが出たら、しっかりとハンドルを握り直して進んで行きましょう。


