タロットカード【0 愚者(ぐしゃ)】は、タロットカード1番最初のカードで、自由の象徴ともいえる存在です。
無限の可能性を秘めたカード愚者(ぐしゃ)は、あなたに何を語りかけているのでしょうか?
本記事では、「愚者」の基本的な意味や解釈、恋愛・人間関係・仕事・金運の場合に愚者が出た場合の具体的なリーディングのヒントまで詳しく解説します。
「愚者」とは?基本の意味

愚者(ぐしゃ)は、タロット大アルカナの0番または22番目に位置する特別なカードです。数が「0」であることから、始まりや無限の可能性、自由や冒険といった意味を持ちます。
このカードに描かれているのは、旅の支度をした若者。崖の上に立って、空を見上げている様子は、これから未知の世界に飛び込もうとする姿です。
若者が着ている緑色の服は、今から芽吹いていく色。
若者の後ろから照らされている白色の太陽は、ありのままの存在でいられてることを祝福しています。
足元にいる動物は、人間の本能を表しています。
直感や忠誠心を表し、「危ないよ、気を付けて」という警告の象徴になります。
若者が杖の先に結んでいる小さな荷物は、前世の記憶とも言われています。
荷物は少なく、軽やかに前進している姿が描かれています。
手に持っている白い花は、持っている人が純粋であることを示し、若者の頭上から生えているように見える、赤い羽根のようなものは、彼が自分から動いていく!という活力がある事を示しています。
愚者は、ルールや常識に縛られることなく、自分の感覚を頼りに前進していく「自由な心」を表しているのです。生まれたばかりの赤ちゃんのように、無防備で怖いもの知らずでドンドン進んでいく、冒険心と好奇心のかたまりです。
タロットカードの愚者1枚の中でも、すべて意味があると言われています。
しかし、全部は覚える必要はありませんし、覚えるのはなかなか難しいでしょう。
タロットカードを作成したウエイトさん、イメージを絵に描き起こしたパメラさんの意図は何だろう、と思う気持ちが大事です。
愚者|正位置の意味:自由・冒険・可能性

愚者(ぐしゃ)のカードが正位置で出たときは、以下のようなキーワードが主なものです。
- 空(くう)、からっぽ、0(ゼロ)
- 新しい始まり
- 冒険心
- 好奇心と自由
- 無邪気さ・純粋さ
- チャレンジ精神
- ありのまま
- とらわれがない
- 型にはまらない
- 新しいステップへ
- 好奇心の赴くままに
- 軽やか
解釈のポイント
正位置の愚者(ぐしゃ)は、考えすぎずに一歩踏み出すことの大切さを伝えています。
一歩進んだ先に、意外な発見があるかもしれません。
特に新しいことに挑戦するタイミングや、変化を求めているときに背中を押してくれるカードです。
正位置での解釈は、そのカードのちょうどよいエネルギーが出ていると考えます。
白か黒かではなく、私の心の師匠が仰ってたのが、「カルピスのようなもの」とタロットカードの正逆の理解の仕方を表現していました。
最初はその意味が良くわからなかったのですが、カルピスってちょうどいい濃度だとおいしい!と感じますよね。
ちょっと濃かったり、薄かったりすると、ちょっと足したり減らしたりする工夫をします。
タロットカードでは、正位置でのエネルギーに濃淡が出るときがあったり、ちょうど良い濃度になります。
愚者(ぐしゃ)の正位置が出たら、「ゼロ」「冒険」「自由」のエネルギーに濃淡が出る。
エネルギーの濃淡が出ることを理解しておくと、インスピレーションが湧いたり、他のカードとの組み合わせで読み解きやすくなります。
愚者のタロットカードを動画で解説しています。
こちらも参考にしていただければ幸いです。
▶【愚者】の解説動画を見る
愚者|逆位置の意味:無計画・軽率・現実逃避

愚者(ぐしゃ)逆位置で出た場合、愚者は以下のような意味を表します。
- 行き当たりばったりになる
- 堂々巡りになる
- 無計画で見通しが甘い
- 衝動的・突発的な行動
- 他者への無責任な態度
- 危険な選択をする
- 現実逃避や未熟さ
- 自分勝手なふるまい
- 時間や約束に対してルーズである
- 地に足が着いていない
- 先の事は気にしない
解釈のポイント
逆位置の愚者(ぐしゃ)は、本来の「自由」なエネルギーが好き勝手なエネルギーになることで「無責任」になってしまっている状態を示します。
勢い任せで突っ走る前に、立ち止まってこのまま突っ走っていいのか、現実を見つめ直すとよいでしょう。
準備不足が原因で失敗してしまい、信頼を失う可能性もあります。
逆位置のエネルギーが濃く出ていて、自由になって解放されたいけどジタバタしているだけで空回りしている。
または、今の自分では手に負えない事に足を踏み入れていたりする可能性もあります。
愚者(ぐしゃ)の逆位置が出たときは、一歩を踏み出せない様子。
自分の心のまま前に進みたいけど、空回りして進めない。
今は進むのではなく、一歩を出せない自分を受け入れて、好奇心という卵を温める時期と思うと良いでしょう。
山へ登るなら、準備不足では安全に登るのは難しそうですしね。
無謀なことをするのはちょっと立ち止まって考えてね、というサインかも。
以前に準備をしておらず、困ったことになったことがあった場合、そうならないためにはどうしたらいいだろうか?
堂々巡りにならないためには、そうならないための対策をとることが考えられます。
愚者|恋愛の場合:自由な恋 or 無責任

恋愛面で占った際に、愚者(ぐしゃ)の正位置が出た場合の解釈はどのようにすると良いでしょうか。
正位置の場合
- 新しい恋の始まり
- 運命的な出会い
- 楽しく自由な恋愛関係
- 駆け引きなしの純粋な愛
このカードは、恋に対してオープンで自由な姿を表します。
恋愛の始まりが待っていたり、または束縛のない関係を楽しみたい頃かも。
まだシングルでいたいから、まだ恋人が欲しいとは思っていない。
恋人は欲しいけど束縛されるのはイヤだなと思っていたり。
自由を好む相手だと、このカードが出ることが多いです。
逆位置の場合
- 相手に対して不誠実
- 一時的な感情での恋愛
- 浮気や逃避の傾向
- 見通しのない関係
逆位置では、無責任な態度をして先を考えない恋愛を警告しています。
相手への配慮を考えて信頼関係を保つようにしましょう。
自由を好むことは、束縛されるのはイヤだったり、すぐに結果を求めれられたりすることも。
友達以上だけど恋人未満、そんなあいまいな関係だと、すぐ結果を出したい気持ちもあります。
しかし、その状態を楽しむ気持ちでちょうど良いくらいです。
愚者|仕事・金運・対人関係での解釈

仕事の相談で愚者(ぐしゃ)が出たときも、基本の自由と冒険のキーワードを忘れず、読み解いていきます。
仕事運
- 正位置:転職や独立に良い時期、新しいチャレンジに最適、自由な環境で働くことで自分らしく輝ける
仕事の事を占った時に、愚者(ぐしゃ)が出てきたときは、新しい仕事やプロジェクトに取り組むときによく出てくるカードです。
ワクワクした気持ちや、反対に不安な気持ちもあるけどワクワク感が勝っている様子。
いままでやったことのないことにチャレンジする、成長していく様がうかがえます。
- 逆位置:甘い見通しで失敗しやすい、準備不足に注意、自由より不安定さがある、堂々巡りになる
自由が濃く出ているので、先の事は気にしない、行き当たりばったりが濃く出ています。
自由すぎて自分勝手になったり、ルーズになってしまうなど、自分中心になっている様子です。
カードの絵を見ると、足元を見ていない若者がいます。足に地がついていない様子です。
天を仰いで軽やかな足取りなのはいいけれど、地固めも大事だよって忠告されているのかもしれません。
金運
- 正位置:意外な収入やチャンスが舞い込む可能性
自由がベースになるので、貯まるというより流動的です。お金が循環している様子がイメージとして近いです。
ひらめきやアイデアで収入に繋がる事が多そうです。0から1を作って行くのが楽しい様子。
自由な環境でより発揮でできる、芸術家やアーティストには、良い兆しのカードです。
- 逆位置:無計画な出費、浪費グセに注意
無計画や無責任が濃く出ているので、お金を使いすぎたり、計画的に使えなかったりして、後々困ることもでてきそう。
行き当たりばったりにお金を使うとどうなるか、考え直す必要がありそう。
考えることや、見直しをめんどくさがると、結局堂々巡りになり、問題が解決しなさそう。
対人関係
- 正位置:新しい出会いや友人ができる、自由な交流
自由を好み、気楽に関わる人間関係を好んでいる様子。振り回されたり、束縛されるのは嫌みたい。
誰とでもどこでも仲良くなれる人、でも深く付き合う事はなく、みんなでワイワイするのが好きな人の場合があります。
さっきまでそこにいたのに、フラっとどこかに行ってしまった。そんな自由な動きをする人、周りにもいますね。
- 逆位置:信頼関係が築けない、人間関係が浅くなる可能性
自由すぎて、協調性が低い場合があります。また、自由に発言するので、時に無責任な発言をしてしまい、周りに「え?」と思われている場合があります。
それでも、自由が基本なので本人は気にしていない場合が多いです。
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「愚者」が示すメッセージとは

「愚者」は魂の旅の始まりを表します。
過去を捨て、未来への可能性を信じて進む姿勢は、人生の転機や大きな学びの前兆です。
直感に従い、自分の人生を自由にクリエイトすることを促しています。
愚者(ぐしゃ)を通じて、私たちにこんなスピリチュアルなメッセージを送っているかも。
「あなたは今何にワクワクしているの?」
「もし、何でもできるなら何がしたい?」
「好奇心の赴くまま進むと良いよ!」
「あなたは何を受け入れて進むの?」
特別な能力がなくても、カードを見て直感的に思ったこと、頭に浮かんだこと。
これがあなたがカードから受け取った、メッセージです。
「愚者」をもっと深く理解するには?

「愚者」はシンプルに見えて奥が深いカードです。
直感だけでなく、カードの背景にある象徴や歴史を知ることで、リーディングの質が格段に上がります。
毎日ワンオラクルで1枚カードを出して、そのカードについて参考書で少しずつ理解すると、
読み解きやすくなってきます。
私が使用したタロットカードの参考書で、「占い師の先生 まゆちん先生」こと、「かげした真由子先生」の著書「はじめてのタロットBOOK」が簡潔にまとまっていてわかりやすいです。
おすすめ参考書について知りたい方
👉タロットカード参考書のおすすめ3選
まとめ
「愚者」は、あなたに「自由に進んでいい」と語りかけています。
準備が万全でなくても、完璧な計画がなくても、新たな一歩を踏み出すことに意味があります。
このカードが出たときは、自分自身の直感を信じて、新しい旅に出る覚悟を持ちましょう。


