タロットカード「悪魔(The Devil)」は、大アルカナ15番に位置するカードです。
名前や絵柄から恐怖を感じる方も多いかもしれませんが、このカードが本当に示しているのは「執着」や「現実に甘んじる」といった人間の「本能」に関わるテーマです。
裏を返せば、自分を縛っているものや隠された欲求に気づくきっかけを与えてくれるカードでもあります。本能と向き合う必要性を問われているのでしょう。
この記事では、悪魔のカードが持つ象徴や意味、正位置・逆位置での解釈、恋愛・人間関係・仕事・金運への影響、さらに実際にカードが出たときのアドバイスまで詳しく解説します。
悪魔|象徴・意味・キーワード・絵柄の特徴

象徴と意味
悪魔のカードは人間の欲である「本能」を象徴しています。
しかしこれは、必ずしも悪い意味ではなく、「本能は人間の生きるための力そのもの」とも解釈できます。
時には、理性を超えた感情や欲望が、行動の原動力になることもあるのです。
「本能=悪」と考えるのではなく、悪魔のカードがでたときは、本能の象徴である悪魔は人間の一部であり、向き合う必要があります。
自分が何にとらわれているのか?
分かっていても辞められないことは何だろうか?
自分の欲望に蓋をしているものはないだろうか?
無自覚の依存や執着から解放されるための気づきを与えてくれます。
キーワード
- 本能
- 執着
- 現状に甘んじる
絵柄の特徴
- 中央の悪魔:欲望や本能の象徴。
- 悪魔のもつ松明:悪魔の意志(本能)。
- 鎖につながれた男女:実は鎖は緩く、自ら外そうと思えば外せる状態。欲望や快楽から抜け出せない状態を表している。
- 逆五芒星:五芒星は人間の象徴。逆五芒星は、非人間的、不健全さを表している。
- 暗い背景:黒は、限界や警告の色。心の停滞を表す。
悪魔|正位置の意味と解釈

悪魔のカードが正位置で出るときは、「依存や執着」「欲望や本能のままに行動している状態」を表します。
依存や執着は、誰かに強要されているのではなく、自身も分かっているけど快楽から抜け出せずにいる状態です。
そこから抜け出そうと思えば、いつでも抜け出せることが出来るのです。
本能とうまく付き合うことで、本能=悪ではなく、本能=生きる力になります。
正位置キーワード
- 快楽を探求・追及する
- だらしのない生活
- 依存する心や体質
- 快楽主義
- 物質への依存
具体的な解釈例
- 恋愛で相手に依存してしまう
- 快楽や誘惑に溺れてしまう
- 悪い生活習慣が断ち切れない(甘いお菓子がやめれない、禁酒できないなど)
- 「やめたいのにやめられない」状況
正位置は、「今の自分が何に囚われているのか?」に気づくことで成長のきっかけになります。
何に囚われているのか認識できれば、そこから自ら抜け出すことは可能です。
悪魔|逆位置の意味と解釈

逆位置の悪魔は、「依存や執着に気付き解放される」や「悪循環を断ち切る」ことを意味します。
なぜこんなことにこだわっていたのだろうと、ふと我に返り、抜け出していく様を表しています。
抜け出した先には、望む結果が待っています。
逆位置キーワード
- 執着からの解放
- 悪習慣を断ち切る
- 物質にこだわらなくなる
- 我に返る
- ほどよく快楽主義
- 日常生活を見直す
具体的な解釈例
- やめられなかった習慣から抜け出す
- 依存的な関係を終わらせる決断をする
- 欲望や快楽をコントロールできるようになる
- 自分の本音に気付く
逆位置は自分の本能と向き合うタイミング。向き合って、自分の本音に気付くことで、こだわっていたものから解き放たれます。
悪魔|恋愛・人間関係における正位置

恋愛で悪魔が正位置に出たときは、「快楽や依存に偏った関係性」を意味します。
依存や執着に陥りやすい状態で、相手を束縛してしまうことも。
お互いの間に、依存や支配の関係が生まれやすいため、バランスを意識することが大切です。
片思いの方は、相手を強く意識しすぎてしまい、頭から離れないほど惹かれている状態。
その情熱は魅力的ですが、自分を見失ってしまうほどの思い込みには注意が必要です。
両想いの方は、共依存になりやすい時期です。
快楽だけに執着したり、倦怠期に陥っていることもあり、お互いの望みを理解するため、本音で話し合う必要あり。
人間関係では、周りに対する依存心があることに気付く必要がありそう。
うわさや悪口を言われていないか気になりそう。
それは、依存心の表れであり、意外に周りはあなたにそこまで意識は向けていないかもしれません。
- 片思いの場合
相手に強く惹かれ、どうしても気になってしまう時期です。
相手がだれかと話しているだけでも、かなり気になってしまいそう。
焦って距離を詰めるよりも、冷静さを意識することでバランスが保てます。
たとえば、SNSで相手の投稿を何度も見返したり、メッセージを送りすぎないよう注意を。
少し余裕を持つことで、かえって魅力的に映ります。
- 交際中のカップルの場合
お互いへの執着心や共依存が強くなる時期です。
ただし、依存的になりすぎたり、相手の行動を過剰に気にするのはNG。
たとえば、「一緒にいないと不安」という気持ちが強くなったら、自分の時間を大切にすることを意識しましょう。
お互いの本音を聞き、心地よい距離感を保つことが、良い関係を長く続ける鍵になります。
- 人間関係の場合
職場や友人関係でも、「この人に認められたい」「好かれたい」という気持ちが強くなるかもしれません。
その思いがモチベーションになる反面、相手に振り回されないよう注意を。
たとえば、誰かの評価を気にして行動するより、自分の軸を保つことを意識すると良いでしょう。
悪魔|恋愛・人間関係における逆位置

逆位置では「執着からの解放」「危険な関係の終わり」を意味します。
苦しかった依存関係や執着を手放すタイミングが来ているのです。
これまで強く惹かれていた相手や状況に対して、ふと冷静に距離を取れるタイミングです。
心を縛っていたものに気づき、「このままでいいのだろうか」と立ち止まることができる時期でもあります。
片思いの方は、相手に対して抱いていた幻想や思い込みが晴れて、本当の気持ちを整理できそうです。
自分を見失っていたかも、と気づくことで、心が軽くなるでしょう。
両想いの方は、依存的だった関係から少しずつバランスを取り戻せる時期です。
お互いが自立し、無理なく関係を続けていけるようになりそうです。
人間関係では、縛られていた関係性や義務感から解放されるサイン。
「本当に大切にしたい人」と「距離を置いた方がいい人」を見極められる時期です。
- 片思いの場合
執着していた相手から気持ちが自然と離れていく、または「自分を大切にしよう」と思えるようになります。
たとえば、相手の反応に一喜一憂するよりも、「私は私の時間を楽しもう」と切り替えることで、新しい出会いにも心を開けそうです。
- 交際中のカップルの場合
現状からの脱却や、執着や未練から解放される時です。
相手に合わせすぎていた方は「自分の意見を伝えてもいい」と思えるようになり、関係が健全な方向へ進んでいくでしょう。
また、関係性が深刻にこじれていた場合は、「お互いのために少し距離を取る決断」をすることもありますが、それは前向きな一歩です。
- 人間関係の場合
職場や友人関係で、気を使いすぎていた相手との関係を整理するチャンス。
「断ると悪いかな」と感じていたことをやめることで、心に余白が生まれます。
自分を縛っていた見えない鎖を外すように、自由で自然な関係が築けるようになるでしょう。
悪魔|仕事・金運における正位置

仕事では「執着・誘惑・依存・過剰な欲求」を意味します。
一見うまく進んでいるように見えても、実はストレスや無理を抱えている時期かもしれませ
「やめたいのにやめられない仕事」を示すこともあります。
転職への誘いや、成果や報酬ばかりに気を取られて、本来の目的を見失いやすいときです。
金運では、物質的な欲望が強くなるサイン。
衝動買いや投資・ギャンブルなど、「快楽」や「刺激」を求める行動に注意が必要です。
うまい儲け話には要注意。裏があると思い、シビアな目で見て判断を。
- 仕事の場合
成果を上げたい気持ちが強くなりすぎて、顧客のニーズを取り逃がす可能性が。
顧客のニーズをしっかり目を向けてみると、見えてくるものがありそう。
また、「やりがいよりもお金を優先して選んだ仕事」や「人間関係のしがらみで抜け出せない環境」を象徴することもあります。
その状況に気づいていながらも、手放せない ―― そんな「悪魔の誘惑」が潜んでいる時期です。
しかし、悪魔のカードは「気づきのカード」でもあります。
自分が何に縛られているのかを理解すれば、そこから抜け出す力も同時に生まれます。
- 金運の場合
「一攫千金」や「楽して儲けたい」という気持ちが出やすいときです。
たとえば、高額な情報商材や無計画な買い物など、目先の利益に心を奪われやすくなります。
うまい話はそうそうないものです。
自分だけは特別、なんてことは思わない方が吉。
また、ストレス発散のための浪費にも注意。
「これがないと満たされない」という感情に流されないよう意識することが大切です。
悪魔のカードが正位置で出たときは、「欲望」や「執着」に光を当ててくれるタイミングです。
それに気づけた瞬間から、すでに解放への一歩が始まっています。
悪魔|仕事・金運における逆位置

悪魔のカードが仕事や金運で逆位置に出た場合、それは「束縛からの解放」「依存からの脱出」を示しています。
これまで執着していたものや、不健全な環境・関係から抜け出すチャンスが訪れるでしょう。
仕事面では、長く続けてきたけれど心が疲弊していた職場や、成果よりも損得勘定で動く人間関係などから距離を置ける暗示があります。
あなたの中で「このままではいけない」という気づきが生まれ、少しずつ状況を変える勇気が芽生えていくでしょう。
また、誘惑的なオファーや裏取引など、表向きには魅力的でも危険をはらんだ話に「NO」と言える強さを取り戻す時でもあります。
金運では、浪費癖や依存的な買い物習慣からの卒業を意味します。
これまで「欲しいから買う」「ストレス発散で使う」という衝動的な使い方をしていた人も、次第に「本当に必要なものを見極めたい」という意識に変わるタイミングです。
お金に対する価値観が健全な方向に戻り、少しずつバランスを取り戻していくでしょう。
逆位置の悪魔は、「心の解放」こそが真の豊かさにつながることを教えてくれるカードです。
恐れや執着から自由になることで、仕事もお金も自然と巡り始めるのです。
- 仕事では
長く続けてきたけれど心が疲弊していた仕事や、プレッシャーの強い環境から抜け出せる兆しがあります。
「辞めたいけど辞められない」「誰かに支配されているような関係」といった不自由さから、ようやく解放される暗示です。
また、誘惑的なオファーや不正に関わるような話にも、「これは違う」と気づき、きっぱり距離を置けるとき。
あなた自身が仕事に対して冷静さを取り戻し、本当に自分らしい働き方を選べるようになるでしょう。
一方で、「今の仕事が嫌だ」という気持ちが強くなることもありますが、それは変化へのサイン。
焦らず、心の声に耳を傾けながら、自分のペースで環境を整えていくことが大切です。
- 金運では
悪魔の逆位置は、お金への執着や浪費癖からの卒業を示します。
「買い物でストレス発散」「見栄のための支出」など、無意識にお金を手放していたパターンに気づくことができそうです。
この時期は、節約を意識するよりも、「自分が何に満足を感じるのか」を見直すことで自然とお金の使い方が変わっていきます。
本当に必要なものにだけ投資することで、金運の流れが安定してくるでしょう。
また、借金や金銭トラブルを抱えていた人は、返済や和解などで出口が見えてくる時期でもあります。
お金との関係を健全に保つために、「手放す勇気」も大切にしてみてください。
悪魔のカードが出たときのアドバイス

悪魔のカードは、「欲望」や「執着」を象徴する一方で、それを通して自分の本音を知るチャンスを与えてくれます。
もし今、何かに縛られているように感じるなら、それはあなたが「手放すことを恐れている」サインかもしれません。
カードは、あなたの中の“恐れ”や“依存”を優しく照らし出し、そこから自由になるための気づきを促しています。
正位置が出たとき
自分でも気づかないうちに、何かに強く執着している可能性があります。
それは恋愛・お金・人間関係・地位など、形はさまざまですが、「こうでなければ幸せになれない」と思い込んでいるかもしれません。
カードは、まず現状を冷静に見つめることを求めています。
いったん立ち止まり、「本当にそれが自分を幸せにしているのか?」を考えてみましょう。
執着を手放した先に、本当の自由と喜びが待っています。
逆位置が出たとき
悪魔の逆位置は、「解放」「リセット」「健全な選択」の時期。
これまで縛られてきた関係や習慣、思考パターンから離れる勇気を示しています。
焦らずに小さな一歩でもいいので、自分を軽くしていくことが大切です。
たとえば、
- 断れなかった誘いを一度断ってみる
- 我慢していた気持ちを言葉にしてみる
- SNSや買い物など、依存的な行動を一時的に休む
そんな行動が、あなたを自由へと導きます。
悪魔のカードは決して「怖いカード」ではありません。
むしろ、「真の幸せを見つけるための気づき」を与えてくれるカードです。
勇気を出して、自分を縛っていた鎖を少しずつ外していきましょう。
まとめ
悪魔のカードは、一見「怖い」「不吉」と感じられやすいですが、その本質は“気づき”と“解放”を促すメッセージです。
私たちは日常の中で、知らず知らずのうちに人や物、状況に心を縛られてしまうことがあります。
それは「手放すのが怖い」「失うのが怖い」という、ごく自然な人間らしい感情から生まれるものです。
しかし、悪魔のカードが現れたときは、その“しがらみ”を見つめ直し、「本当にこれは自分に必要?」と問いかけるタイミング。
もし勇気を出して一歩引いてみれば、そこにはもっと自由で、軽やかで、あなたらしい未来が待っています。
悪魔のカードは、あなたを恐れさせるためではなく、真実の幸せを取り戻すための道しるべとして現れます。
「自分を縛る鎖を外す」——それが、このカードがあなたに伝えたい最大のメッセージです。本当の自由と成長が待っています。