タロットカード「節制(Temperance)」は、大アルカナ14番に位置するカードです。
節制の意味を調べると、「度を越さないように控えめにすること」と出てきます。
しかし、タロットカード占いで節制は、「調整」や「応用力」を象徴しています。
今の等身大のあなたの状態で何か成し遂げていける、能力や応用力があると伝えてくれているカードです。
この記事では、節制のカードが持つ象徴や正位置・逆位置での意味、恋愛・仕事・金運への具体的な解釈まで詳しく解説します。
節制|象徴・意味・キーワード・絵柄の特徴

象徴と意味
節制は「調整」「応用力」を象徴します。
節制は、魔術師のカードが進化した姿を現していて、魔術師は4つのエレメント(火・土・水・風)がテーブルに揃っていて、これから何かを創造していく過程を描いていました。
節制のカードは、4エレメントの道具を使いこなしている天使の様子が描かれており、二つのカップの間で水を行き来させている。
これは、相反する要素をうまく混ぜ合わせ、新しいものを作り出す力を表しています。
何かと何かを混ぜ合わせて何か新しいものを生み出していくことは、知恵や技術だけでは足りず、柔軟に対応できる応用力や器用さが必要になってきます。
柔軟な応用力や器用さ、工夫する能力は、すでにあなたの手の中にあることを意識することで発揮していくことができると伝えてくれています。
キーワード
- 調整する
- 応用力
絵柄の特徴
- 二つのカップ:顕在意識と潜在意識を表している
- 天使:火の天使ミカエル
- 赤色の羽:風のエレメントで、思考や言葉、情報表す
- 天使の胸元にある△マーク:火のエレメントで、情熱や直感を表す
- 足を置く地と水:地は現実世界や顕在意識、水は感情や潜在意識を表しており、それぞれの足を置いているのはエネルギーの循環を意味している
- 日の出に向かう道:道はプロセスを表し、日の出は再生を表している
- アイリスの花:天と地を結ぶ懸け橋(アイリスとはギリシャ神話の虹の女神の名前から)
節制|正位置の意味と解釈

節制が正位置で出たときは、「自然体のまま応用力がうまく発揮できる状態」を表します。
知恵を活かす応用力や柔軟性があり、周囲との連携もうまく取れていて、今あるもので無理なく成し遂げられる能力や応用力をもっていることを教えてくれているのです。
無理なく成し遂げると言うと、難しいことを解決したり達成したりすると思うかもしれません。
しかし、そうではなく、例えば冷蔵庫の中の残り物で一品作れるような能力。
他人から見ると、すごいと思うかもしれませんが、本人は当たり前のように出来てしまうことがあります。
何か買い足して作るわけでもなく、冷蔵庫の中にあるものでできるものは何か?と応用を効かせて作れる。
あなたが、特に苦労せずできてしまうことは意外に気付かないことがありますが、苦労なくできてしまえることはあなたにとっては能力の一つで、他人は苦労してやっと出来ることかもしれません。
あなたには自然体のまま出来てしまうことがある、とカードが伝えてくれています。
節制の正位置のキーワードは以下の通りです。
- 調和
- 応用力が発揮できる
- 柔軟性が発揮できる
- 平和的解決(適切な処置ができる)
- 中庸
<具体的な解釈例>
- 恋愛が穏やかに進展する
- チームワークや協力関係が築かれる
- 無理せず自然なペースで進めると成果が出る
節制|逆位置の意味と解釈

逆位置の節制は「調整がうまく発揮できていない状態」を意味します。
気を使いすぎて先回りしすぎたり、妥協できず周りとの折り合いがつかないことがあるかも。
また、その場を穏便に済ませることを優先しすぎて、物事に対して積極的に問題解決せずに後回しにしたり、その場をやり過ごすだけの対処だけしてしまいそう。
その場はなんとか問題が収まったとしても、問題自体が解決していないので、もっと大きな問題へとなっていく可能性があります。
本来得意な調整や工夫、応用力を使っていくと改善していきそうです。
節制の逆位置のキーワードは以下の通りです。
- 不調和
- 事なかれ主義(穏便に済ます傾向)
- 気の回しすぎ
- 折り合いがつかない
<具体的な解釈例>
- 相手との関係に温度差がある
- 生活リズムが乱れ、疲れがたまっている
- 先回りして対応したら裏目に出た
節制|恋愛・人間関係における正位置

恋愛では「穏やかで順調に進んでいく関係」を意味します。
お互いの違いを尊重し、自然に歩み寄れる時期です。
無理に盛り上げる必要はなく、落ち着いた時間を共有することが絆を深めます。
片思いの方は、友達関係から穏やかに関係性が進展していく様子。
両想いの方は、相手に無理なく合わせていけている様子。また、今後の展開についても相手は視野に入れているので、順調に進んでいきそうです。
人間関係では、自然体で周りと付き合うことで良好な関係が築け、広がりやすい時期です。
- 片思いの場合
好きな相手と一緒に過ごす中で、無理に告白や特別なアピールをしなくても、自然体でいることが好印象につながる時期です。
たとえば、グループでの食事や趣味の話題を通して、気づいたら距離が縮まっていた……というような展開が期待できます。
- 交際中のカップルの場合
お互いの生活リズムや価値観に少し違いがあっても、譲り合いながら調和を保てます。
たとえば、相手が忙しいときには無理に会おうとせず、オンラインやメッセージで軽やかにつながることで、むしろ信頼感が強まるでしょう。
- 人間関係の場合
友人や職場の人との関わりで、自分を飾らずに自然体で接することが、信頼や安心感をもたらします。
たとえば、会話の中で「無理に気の利いたことを言おう」とせず、相手の話を素直に受け止めることで関係がスムーズに進んでいきます。
節制|恋愛・人間関係における逆位置

恋愛では「気を使いすぎ」「自己本位になっている」「バランスの乱れ」を示します。
相手に合わせすぎたり、自分の気持ちを抑え込みすぎて無理が出ている状態です。逆に、自分の欲求ばかりを優先してしまい、相手がついてこれない場合もあります。
片思いの方は、アプローチのペースが早すぎたり、逆に慎重すぎて進展しないことも。
両想いの方は、マンネリ状態が続くと、相手への思いやりを忘れがちになりそう。結果、愛情も薄くなってくるかもしれません。
お互いに付き合い始めた頃のことを思い出せる場所や話題をしてみると、マンネリ解消のヒントになりそうです。
人間関係では、周囲と歩調が合わずに浮いてしまったり、気を使いすぎて疲れてしまう場面が出てきそうです。
折り合いのつかないことは、妥協できるところはないか再考して、譲れるところは相手に合わせてみましょう。
- 片思いの場合
返信を早くもらいたくて何度も送ってしまうなど、相手に負担をかけやすい時期。逆に慎重になりすぎて「友達のまま変わらない」という停滞にもつながります。
自然体の自分なら相手へどう接しているでしょうか。肩の力を抜いた状態で、相手と関わってみましょう。
- 交際中のカップルの場合
相手に合わせすぎて「自分らしさ」を見失う、または自分の意見ばかりを押し通して衝突が増える、という両極端に振れやすいとき。たとえば、デートの計画をいつもどちらかが我慢して決めているようなら要注意です。
無理にデートを企画するのではなく、付き合いだしたころを思い出して、相手と行くならどこへ行きたいか企画してみましょう。相手の出方も見ながら進めてみると、お互い思いやりや愛情を思い出すかもしれません。
- 人間関係の場合
友人や職場で、調和を意識しすぎて気疲れすることがあるかもしれません。たとえば、飲み会に本当は行きたくないのに断れず参加して、後からストレスがたまるような状況です。
全て妥協できないか再考して、譲れるところは譲って、いい塩梅でお互いがOKが出せるところまで歩み寄ってみましょう。
節制|仕事・金運における正位置での意味

仕事において節制の正位置は、「調和」「バランス」「安定した流れ」を示します。
無理をせず、自分のペースで物事を進められるときです。コミュニケーション能力を活かして、周囲との協力や調整もうまくいき、安心感を持って仕事に取り組めるでしょう。
また、環境の変化にも柔軟に対応できるため、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。地道な努力が評価されやすく、信頼を築けるタイミングでもあります。
金運については、収入と支出のバランスがとれ、堅実に管理できる時期です。大きく増えるわけではありませんが、安定していて心配の少ない運気。無駄遣いを控え、コツコツと貯蓄を積み重ねることで安心感が得られるでしょう。
- 仕事の場合
コミュニケーション能力を発揮することで、プロジェクトでチームメンバーと役割分担が自然にでき、無理なく進行できる。上司・同僚との関係もスムーズで、信頼関係が深まる。
- 転職や就職活動の場合
焦らず自分に合った職場を選べるタイミング。相手(会社)の条件と自分の希望のバランスが取れた良い縁がありそう。
- 金運の場合
毎月の出費をきちんと管理でき、貯金が少しずつ増えていく。必要なものにはしっかりお金を使いつつ、浪費は自然と減っている状態。
節制|仕事・金運における逆位置での意味

仕事において節制の逆位置は、「バランスの崩れ」「不調和」な状態を示します。
自分のペースを見失い、先走りして空回りしたり、交渉が堂々巡りになり進まなかったり。
また、チーム内の意見調整がうまくいかず、誤解やすれ違いが生じることも。
周囲に合わせすぎて本音を出せない場合もあれば、逆に自分の意見を押し通してしまい、協力関係にひびが入る可能性もあります。
金運では、収支のバランスが崩れやすいとき。
衝動買いや浪費によって出費が増えたり、逆に必要なところでお金を出し惜しみしてチャンスを逃すことも考えられます。お金の管理を見直すことが大切です。
- 仕事の場合
コミュニケーション能力がうまく活用できず、話がまとまらず堂々巡りになりそう。気を使っても空回りになったりして、余計なストレスを抱える。
本来は、持ち前のコミュニケーション能力で調和することが得意なはず。いつものあなたの姿で対応してみましょう。
- 転職や就職活動の場合
条件にこだわりすぎて決められなかったり、逆に焦って自分に合わない職場を選んでしまう。慎重な見直しが必要。
これだけは譲れない部分以外は、条件を飲むことも再考してみましょう。大事な部分だけ外さなければ、良い転職先と出会えそう。
- 金運の場合
ストレス発散のために衝動買いをしてしまい、後で後悔する。あるいはケチになりすぎて人間関係に悪影響が出る。
本当にこれは必要?と問いかけながら、お金を使うことを忘れずに。
節制のカードが出たときのアドバイス

節制のカードは「バランス」「調和」「適度さ」を大切にするよう促しています。
正位置であれ逆位置であれ、極端にならず「ちょうど良い状態」を意識することが大切です。
正位置の場合は、今の調子を保ちながら、焦らずに自然の流れに身を任せると良いでしょう。
特に人間関係や恋愛では、無理に進展させようとせず、ありのままいることを優先することで絆が深まっていきます。
逆位置の場合は、生活や心のバランスが崩れていないかを見直すサインです。
やりすぎていること、逆に不足していることを点検し、調整することが求められています。
- 無理に結果を出そうとせず、自然の流れを信じる
- バランスを崩していないか、生活や気持ちを見直す
- 調和を大切にすることで、次のステップが見えてくる
- 過度な欲望や焦りを手放し、「ちょうど良い状態」を意識する
- 周囲との歩調を合わせ、協力関係を大切にする
- 自分の心身のリズムを整え、無理をしない
- 物事を一気に変えようとせず、少しずつ調整していく
節制のカードは「調和を取り戻せば、すべてがスムーズに流れ出す」と教えてくれています。
焦らず、ゆるやかに流れに乗ることを心がけましょう。
まとめ
タロットカード【14 節制】は、極端さを避け「調和」「応用力」を大切にすることを示すカードです。
正位置では、物事が自然な流れで整い、穏やかに進んでいくことを意味します。人間関係も無理なく調和し、恋愛や仕事も安定して発展していくでしょう。
逆位置では、心や生活のリズムが乱れ、極端に偏ってしまうことへの注意を示します。調整を怠ると、行き詰まりや不安定さを招く可能性があります。
節制のカードは、「焦らなくても自然に整っていく流れがある」という安心感を与えてくれる一枚です。
大切なのは、自分や相手の違いを受け入れ、調和を意識しながら日々を過ごすこと。そうすることで、人間関係も仕事も、無理のない心地よさの中で発展していきます。