タロットカードのⅤ (5)法王(The Hierophant)は、「枠組み」の象徴です。
枠組みとは、この世で生きていくためのルールやモラルのこと。
子どもにとって、生まれてから始めて出会う社会とは「父性=父親」であり、「枠組み」です。
Ⅳ(4)皇帝は野心=男性性のエネルギーを象徴したカードであるのに対し、父性を象徴した法王は、枠組み=社会とどうむきあっていくかを考えさせられるカードです。
社会は、枠組みの中でいきていくためにルールが必要だったり、ルールによる制限が生まれます。
法王の役目である「教え導くこと」で、現実を生きていくための地に足がついた考えや、知性や道徳性をつけていけることを示しています。
この記事では、「法王」の基本的な意味から、正位置・逆位置、恋愛や人間関係、仕事・金運に関しての解釈まで詳しく解説していきます。
法王|象徴・意味・キーワード・絵柄の特徴

象徴と意味
法王は、この世で生きていくための「枠組み」を象徴しています。
枠組みとは何かというと、子どもがはじめて出会う社会=枠組みが、父性=父親という存在なのです。
はじめて出会う小さな社会で、ルールやモラルを学び、現実で生きていくための必要な知性をつけていけるための指導者です。
実際の父親を指すこともありますが、その分野の専門者を意味することも。(例:医師・弁護士・教師・カウンセラー)
または、親身になって相談に乗ってくれる人を指し示すこともあります。
キーワード
法王のもつキーワードは以下の通りです。
- 枠組み
- 社会性
- 父性
この世で生きていくために必要な、枠組み=ルールや、モラルを象徴しているカードと言えます。
絵柄の特徴
- 冠の上にあるW=人と神を繋ぐ役割
- 2本の鍵=秘密の扉の鍵
- 二人の弟子=純粋で高い理想を持ち、礼儀正しく教えを求める人
法王|正位置の意味と解釈

正位置の法王は、現実社会を生きていくための「枠組み」をストレートに象徴しているカードです。
枠組みは、現実社会のルールやモラルという制限あるものを指します。
その制限された現実社会の枠組みの中で、ルールとモラルを道徳性と社会性を守りながら生きてく知恵を学ぶと、物事は成長する方向へ進んでいけるでしょう。
正位置でのキーワードは以下のとおりです。
- 頼りになる
- 善良さ
- 教えや教養がある
- 父性を発揮する
- 道徳性
- 形式
- 保守的である

タロットカード占いをはじめた頃、私にとって法王のカードは解釈の難しいカードでした。
なので、私は身近にいる「神社の神主さん」を法王に見立てることで、人と神様を繋ぐ役割をもつ専門家してとらえやすくなりました。
神社に正式参拝(七五三や結婚式、祈願)する時など、礼儀正しく日々の感謝を伝えることで加護を祈る。
法王に教えを乞う姿は、法王のカードに描かれている、二人の弟子も同じような状態に見えます。
信頼できる存在に頼ると、良い助言が得られるでしょう。
法王|逆位置の意味と解釈

逆位置の法王は、「枠組み」の象徴が濃く表現されています。
枠組みが濃く出ると、「形式にとらわれすぎる」傾向にあります。
ルールにとらわれすぎて頑固になったり、世間体を気にしすぎたり、道徳性が高すぎて無慈悲になったりする可能性があります。
ルールに固執しすぎないよう、柔軟に対応する気持ちを持つことで物事の進みを修正できそう。
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法王|恋愛・人間関係における正位置での意味

恋愛において教皇の正位置が出た場合、信頼のおける人との穏やかな関係を築いていけそうです。
片思いの人は、相手が誠実で信頼できる人の可能性が。相談事などでこちらから話しかるなど、行動してみると良さそう。
カップルの人は、お互いを信頼しあえている様子。今後の展開も視野に入れている可能性がありそうです。
パートナーとの関係性が安定し、将来を見据えた話が出てくる可能性が高いでしょう。
人間関係で法王のカードが出てきた場合は、常識的・善良・誠実なイメージを持っているので、仲間全体の幸せや利益に繋がることを考えていくと良い結果を生んでいけそうです。
法王|恋愛・人間関係における逆位置での意味

恋愛において法王の逆位置は、枠組みから外れた恋愛を好む傾向にありそう。
片思いの人は、相手は今恋愛がしたい状態ではなく、面倒だとも思っている可能性があります。ただ、可能性がゼロではないので、相談事などをするところから距離を縮めていきましょう。
相手にパートナーがいる場合もあるので、禁断の恋になりそうなときは自分より経験を持っている人、冷静に話を聞いてくれる先輩や年長者に聞いてもらうと良さそう。
カップルの人は、安定した関係性は築けていますが、ときめきを求めてしまいそう。今の関係性で良いのか、考えてみると良さそう。
法王|仕事・金運における正位置の意味

仕事の場合、積極的に知識や技術を身に付けて社会や組織に貢献していくとき。
仕事上で困ったときは、信頼できる先を行く先輩や上司に相談してみるとよいアドバイスがもらえそう。
誠実な仕事ぶりで、良い結果を出していけそうです。
金運の場合、良いアドバイスをもらえる専門家やアドバイザーのセミナーにお金を使ってみると、人脈作りにもなっていきそう。
法王|仕事・金運における逆位置の意味

仕事の場合、上司や先輩が頑固で振り回される可能性があるので、周りに期待しすぎず、自身が柔軟な対応ができるようにしておきましょう。
また、自身が保守的・形式にこだわりすぎないようにしましょう。
金運の場合、保守的に管理しているので大きな支出がない分、大きな収穫もない様子です。
保守的になりすぎて、大切な付き合いにお金を惜しまないようにしましょう。人脈を大事にしないと金運も上がっていきません。
法王のカードが出たときのアドバイス

法王のカードは、現実社会を生きていくために必要な知識やルール、モラルを学んでいく過程を描いたカードです。
知識やモラルを学ぶ上で、「枠組み」という制限の中でどう生きていくか?
このカードが出た際に、以下の問いに答えるように考えると良いでしょう。
- あなたはこの世で何を学びたいですか?
- あなたはこの世で何を教えたいですか?
- あなたにとって、○○しなければならないことって何でしょうか?
- あなたがどうしても守りたいものは何でしょうか?
答えがでないこともありますが、問いをやめない、考え続けることが大事だと法王が物語っています。
まとめ
法王のカードは、「父性=枠組み」の象徴です。
この現実社会でのルールやモラルを学び、身に着けていく過程を描いており、何を学んでいくか、何を教えていくか、考えていくことが必要な時に出てくるカードです。
困ったときに、信頼できる先輩や先生から助言やアドバイスを受けると良い方向へ導いてもらえることもあります。
得た知識と道徳感をどのように使っていくか、ルールを守る事が良い時もあるけれど、そのルールをずっと守り続けるだけが解決策ではないことも伝えているカードです。
不要になったルールがあるのかもしれない。
そんな自問自答をすることで、自身が見つけ出せた答えは次のステージへ進むための鍵なのでしょう。
この世を生きていくために、考え続けることが大事なのでしょう。